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平成20年5月25日更新 BuckNumber一覧 >>
 
派遣スタッフ向けの提携ローン商品を開発 〜スタートUPローン〜
 
スタートUPローン発案者の塩沢 亮さん
スタートUPローン発案者の塩沢 亮さん
(株)関西雇用創出機構 代表取締役社長 兼 (株)パソナグループ 取締役専務執行役員 雇用開発本部長 山本 絹子氏 (株)関西雇用創出機構
代表取締役社長 兼
(株)パソナグループ
取締役専務執行役員
雇用開発本部長
山本 絹子氏

 幅広い人材層の雇用創造に取り組む人材派遣大手のパソナが、りそな銀行と提携し、ローン商品を開発した。「パソナで働く女性のためのスタートUPローン」と名づけられた金融商品は、当初、女性をターゲットにし、今後、さらに対象を広げていく予定だという。

     「働く女性を応援したい」思いが結実


最初の一歩をスムーズに

 「当初は女性からスタートし、若者全般、シニア層も対象としていきます」と山本絹子取締役専務執行役員。
 この企画が実行に移された背景には、次のような事情がある。一般に派遣スタッフには、融資を受けるための条件が厳しく、制約が多いケースが見受けられる。しかし、派遣登録という新しいスタートに際して、住居やスーツの購入費など、経費がかかる事実が一方にある。そこで、パソナでは、派遣登録を行うだけで、この金融商品を利用する資格を得ることができるシステムを作り出した。
 現在の状況では「派遣では融資は無理かもしれない」とか「金利は高いのかもしれない」という不安要素が先走りしている。ここには制度の不備もあるが、情報不足も一因となっている面も否めない。
 同社では、現在(総務省「労働力調査・詳細結果、平成19年3月2日公表」)、働く女性の約半数が正社員以外での雇用体系であることを受け、正社員以外の女性が安心して融資を受けられる道筋を示す必要性があると判断した。
 このアイデアの発案者が、同社の事業開発部新規プロジェクト担当の塩沢亮リーダーだ。「パソナ・札幌で銀行や証券会社など金融担当の営業をしていた際、派遣を理由にバイクのローンが組めなかった方の話をはじめ、派遣スタッフの方がローンを組み難い現状を目の当たりにし、そうした問題を解決するため、派遣スタッフの方のために、魅力的な金融商品やサービスを提供する『パソナの銀行』の設立を提案しました」と塩沢さんは話す。

「パソナで働く女性のためのスタートUPローン」概念図

社内若手の力が原点

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 また、実際に事業の立ち上げに携わり、どのような変化があったかという質問には概略で次のように答えた。
 「営業部時代とは業務が異なり、すべてが一からのスタートでしたが、立ち上げから企画の練りこみ、実行までの一連の流れすべてに携われることは、これまでにない貴重な体験でした。物事の全体をとらえる視点や、いかに情報収集をするか、そして事前準備の大切さも実感しました。事前準備においては、一人で悩むのではなく、南部(パソナグループ)代表を始め、役員の方々やグループ各社の社長の皆さんなど専門的な知識を持っている方々の力をお借りし、直接アドバイスを頂くことで、漠然としたアイデアを何度も検証し、実現までこぎつけることができました」
 こうして、何度も推敲を重ね、銀行へのプレゼン用資料作成の際には「1週間かけて30回以上も練り直しました」という。
 この“提案の場”となったのが、同社が設けている“チャレンジの日”。この日、2月16日は、パソナグループ創業の日で、提案の場でさまざまなアイデアが発表され、実際のビジネスとして巣立っていった。パソナグループの企業力の一つに、独創的なアイデアが次々にわき出てくることが挙げられるが、その源に、社内の若手の活性化が大きく寄与していることが分かる。
 今回の制度の概要は次の通り。提携先にりそな銀行が決定したのは、全国に拠点展開しており、対応が柔軟と判断したからだという。りそな銀行は女性向けの商品(9.0%)をもっているが今回は改良を重ね、金利7.0%の商品として発売にこぎつけた。ここには銀行側にとってもメリットがあり、メガバンクとの差別化を図るため、個人・女性向けサービスをより拡充したい方針と合致している。


女性の視点からの発想

 実際の運営モデルとしては、パソナの登録スタッフが、同社に資料や申込書を請求し、制度の告示や資料・申込書の送付を受ける。その後、りそな銀行に申し込みを行い、同銀行側から審査結果の回答、融資引き受け、回収などが実施されるという仕組みだ。
 対象は、パソナで就業中、もしくは就業が決定した派遣社員(女性)で、満20歳以上(完済時、満71歳未満)の人。貸し出し金額は、基本10万〜30万円(1万円単位、証書貸与方式、返済期間最大5年5カ月)とし、金利は固定金利の7.0%とする(金融情勢の変化により改定もあり)。
 使用用途は、スキルアップ(各種学校、資格取得、学習教材)、就業応援支援(被服費用、家庭用PC)、住環境改善支援(入居費用、引っ越し、家具購入費)、育児・厚生支援(入園・入学などの前納金、医療費)などを対象としている。
 企画段階では、銀行側からは、貸し出し限度額は100万円でも問題ないとの提案があったが、同社は「無理なく返済できる金額で」ということで、30万円に落ち着いた経緯がある。利益優先より、あくまで登録者の立場に立ち、「利用しやすく」「返済しやすい」視点に立っているところが特徴だ。 パソナグループ全体として、派遣就業するスタッフの福利厚生の拡充を進めており、今回の取り組みもその一環という位置づけともなる。長年、家庭に入っていた主婦や新しく働き始める若年層など、今後も個人のライフプランに合わせたサポート体制を構築するとしている。
 特に経済的な理由で、新しい一歩が踏み出せない人にとっては、朗報となるかもしれない。



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