産経新聞
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平成17年8月28日朝刊掲載 BuckNumber一覧 >>
 
    満足できる転職に向けて、自分自身でできること
 
産経一家の人たち
◆父・太郎(53歳)…中堅企業の人事部長
  「転職が一般的になって人事は忙しくなりました」
◆母・フジ子(50歳)…主婦
 「主人が転職すると言ったら、卒倒しかねませんわ」
◆長男・一郎(27歳)…入社5年目営業マン
 「同期が転職で減っていくと、少し焦りますよね」
◆二男・次郎(22歳)…新社会人
 「転職?入社してまだ5カ月だよ」
◆長女・花子(21歳)…大学3回生
 「キャリアアップしていくビジネスマンって素敵」
 今ではすっかり社会に認知された「転職」。多くの人たちが、もっといい待遇、もっとやりがいある仕事を求めて、次の企業へと転職していきます。でも、転職で誰しも満足できる結果を得られるとは限りません。産経一家でも、長男の一郎が、同僚の成功に刺激されて転職を意識し始めた様子。そんな一郎のことが、父の太郎はちょっと気がかりです。

    求人件数は増加中!
    いまが転職のチャンス?


 まだまだ暑い8月末の日曜日。朝食を終えた太郎は新聞を読みながらくつろぎ、フジ子は台所で後片付けをしています。

フジ子 昔だったら、そろそろ子供たちの夏休みも終わる頃で、「やっと平穏な日々が戻る」って一安心していたけどね〜。  

太郎 そうだな〜。みんな、そうやって親離れしていくんだな。あとは花子の進路だけか。  

そこにノートパソコンを抱えた長男の一郎がやって来ました。  

一郎 お父さん、53歳だったよね。今の年収はどれくらいあるの?  

フジ子 もう何ですか!お父さんに向かって。  

一郎 ほら、このホームページ見てよ。ここに職種や年齢などを入れていくと、適正年収が出てくるんだ。  

太郎 面白そうだな。  

フジ子 もう、お父さんまで。そんなこと知って何になるの?  

一郎 だって自分の市場価値はどれくらいか、誰でも気になるよね。  

太郎 転職市場における評価だね。一郎、まさか転職を考えているのか。 

一郎 ちょっとね。同期が同じ営業職で転職したんだよ。今日会って話を聞いたんだけど、年収が一○○万円近く上がったんだって。  

フジ子 まぁ、すごい。何ていう会社?  

太郎 まぁまぁお母さん。でも、勤務条件や仕事内容もあるし、待遇だけでは比較できないだろう。  

一郎 うん。でもほかの条件もいいみたいなんだ。仕事もコンサルティング色が強くて面白そうだし。そんな話を聞くと、正直、ぼくも考えるよ。今の仕事には満足してるけど。景気がよくなって求人も増えているようだから、転職するなら、時期的にもいいだろうしね。 

太郎 求人が増えているといっても、企業サイドから見れば、とにかく門戸を広げて大勢採用しようということじゃないんだよ。欲しいのは即戦力。これが中途採用に望む一番の目的だからね。  

一郎 分かってるよ。  

太郎 でもね、人事の仕事で面接をすると、中には分かってない応募者も来られるんだよ。営業職の経験者を募集しているのに、経理の経験しかない方とか。  

一郎 でも意欲はあるんでしょ。  

産経一家のお仕事奮闘記
転職編
4コママンガ
4コママンガ
4コママンガ
4コママンガ
太郎 そりゃあね。でも可能性を評価する新卒に比べて、中途採用はやっぱり経験を重視する傾向が強いからね。だから、この仕事がやりたい!と勢いだけで転職にのぞむのは感心しないな。準備もきっちりしないと。その同期の人も十分に準備したんじゃないかな。  

一郎 なるほど。一度聞いてみるのもいいね。


    自分のキャリアの卸しから始めよう


一郎 ただいま!お父さん、帰ってる?  

太郎 こっちだよ。

一郎 この前話した同期にまた会ってきたんだよ。お父さんの言うとおり、すごく時間をかけて転職の準備をしたんだって。  

太郎 やっぱり。で、どんな準備をしたって? 

一郎 まずは「キャリアの棚卸し」だって。自分が就職してからやってきたことを、改めて見直し、自分に何ができるか、何をやりたいのかを研究するのが大切だと。  

太郎 なるほど。それをはっきり把握できている人は強いだろうね。  

一郎 それから業界研究や企業研究にもかなり時間をかけたって言ってたなぁ。よく話を聞くと、辞める半年以上前から準備を始めていたらしいね。

太郎 そうか。やっぱりキャリアアップを実現させる前向きな転職にはそれだけの準備が求められるのだろうね。それで一郎も転職を考えるのか?  

一郎 とりあえずキャリアの棚卸しは一度やってみるべきだと思ったんだ。自分に何ができるか、何をしたいのか。それをしっかり考えておくと、いつか本気で転職する時にも役立つだろうし、今の仕事にも生かせると思うからね。

太郎 いいこと言うじゃないか!よし、お父さんも一度、キャリアの棚卸しに取り組んでみよう。 

フジ子 えっ?棚卸し?ダメですよ。お父さんは、もう年ですからね。  

太郎 どうして年だとダメなんだ?  

フジ子 だってキャリアが必要なほど、重たい商品の「タナオロシ」でしょ。若い人に任せてください。  

太郎 お母さん…。  

一郎 まぁ、お父さんのキャリアはかなり重いということで(笑)。  

太郎 今日は本当にいいこと言うな(笑)。

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